インフラ整備と
メンテナンスにより、
豊かで潤いのある国土形成と持続可能な社会の発展を支える
私たちの生活は、河川、道路、海岸、港湾といった産業や生活を支える社会インフラにより成り立っています。これらインフラの整備は、過去30年にわたる公共投資の削減と経済成長の停滞により、諸外国に後れを取っている状況にあります。今後、これまで以上にしっかりとしたインフラ整備を行い、防災・減災、地域発展、経済成長を図り、人々の豊かで潤いある生活を実現して行く必要があります。
また、高度経済成長期以降急ピッチで整備してきた膨大なインフラの老朽化が課題となっており、新たな整備と同時にメンテナンスを適切に行うことが求められています。2012年に中央自動車道の笹子トンネルで老朽化により、天井板が崩落し、多くの方の命が失われるという悲惨な事故が発生しました。このような悲劇を二度と繰り返してはなりません。安全、安心で豊かな生活と我が国の持続可能な発展のためインフラの整備とメンテナンスを力強く進めることが、不可欠となっています。
経済成長を支え豊かな生活環境を創出する道路整備
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高度成長時代には全国の主要都市を結ぶ高速道路が整備されてきました。しかし、未だ高速道路などの高規格道路ネットワークが繋がっていない地域が全国に数多くあることから計画的に道路整備を推進していく必要があります。当社では、災害に強い国土づくり、生産性の向上による経済成長の実現や交通安全確保のため、新たに必要な道路ネットワーク整備に取り組んでいます。2車線道路の4車線化や、走行シミュレーションなどを用いた危険箇所の把握を通じ、道路改良計画を立案するなど、道路の機能向上、運用改善に取り組んでいます。
また、我が国ではまちに多くの電柱が建てられていますが、これらの電柱は交通安全上の障害となったり、景観を損ねるとともに、災害時には電柱が倒れ避難や救助活動の妨げとなります。当社では電柱を道路地下に移設し無電柱化することで、安全で景観に優れたまちづくりに取り組んでいます。さらに、歩道や自転車通行空間の確保、生活道路での速度抑制対策など、安全な生活を支える道路空間の整備に取り組んでいます。
自然豊かで潤いのある川づくり
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河川には瀬や淵、干潟や中洲など多様な自然環境があります。魚や鳥、昆虫、植物などの動植物の宝庫です。河川の整備にあたっては、災害対策はもちろんですが、このような豊かな自然生態系を保全、再生するための取組が不可欠であり、当社では、河川の自然環境の調査、分析、評価、保全対策、自然再生などに取り組んでいます。自然環境は河川だけではなく流域、さらには地域全体へと繋がっています。当社では自然豊かな国土の形成を目指して、河川を軸とした生態系ネットワークを強化する取り組みも進めています。
また、都市部の河川空間は、都会に残された貴重な自然空間として私たちの生活に安らぎと潤いを与えます。河川周辺のまちづくりと一体となって、人々が水辺や自然環境と触れ合える潤いのある水辺空間整備に取り組んでいます。堤防、護岸、水門などの河川構造物の景観設計や河岸の遊歩道、水際へのアクセスの改善など、地域の特性を活かした人々が親しめる川づくりに取り組んでいます。
持続可能なインフラメンテナンス
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当社では、高所作業車や橋梁点検車などのほか、ドローンや点検ロボットを活用し道路施設や橋梁の点検・診断を実施してきました。これら点検結果をもとに修繕のための計画策定、設計を実施しています。健全度評価に応じた計画的な修繕計画の立案や、損傷が軽微な段階で補修を行うことで施設を長寿命化させる予防保全を取り入れ、効率的・効果的、戦略的なインフラ維持管理を提案しています。当社では、点検・診断、修繕・更新、情報の記録・活用といったメンテナンスサイクルの構築とともに、大規模更新工事の計画・設計や地域特性に応じたインフラ施設の集約・再編の提案などにも取り組んでいます。
インフラの点検、診断にあたっては、ICT技術やAIを活用した膨大な情報の収集、共有化、高度で効率的な処理、評価に取り組んでいます。
当社では、インフラ施設に関する調査・計画・設計から維持管理に至るまでのライフサイクル全般にわたる総合的なコンサルティングサービスを提供し、国民の生命・財産を守り、国土・国家・社会の重要な機能を維持し、豊かで潤いのある持続可能な社会の発展に貢献していきます。