草本・樹林地の動態シミュレーション 河床変動と土壌の栄養塩循環を考慮した草本・樹林地の動態変化を長期的視点から予測できます。
- 国⼟保全
近年、わが国の多くの河川では河道内の樹林化が進行しています。河道内の樹林化は、河川固有の生態構造の改変のみならず、洪水の河積阻害の誘発など、治水安全度を低下させる要因となります。
砂州の細粒化や栄養塩濃度の増加が樹林化の一因となっていることに着目し、河道の物理的変化と栄養塩等の物質循環を考慮し、植生の生理機構とを関連付けてモデル化しました。河道内で生じる治水・環境上の課題解決に役立ちます。
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(1)樹木群落モデル | 河岸樹木の代表種を対象に種子繁殖や生長の特性をモデル化し、樹木のバイオマス量や栄養塩量を算出 ※代表種(カワヤナギ、ハリエンジュ、エノキ等) |
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(2)草本群落モデル |
草木類の生長をモデル化し、草本のバイオマス量や栄養塩量を算出 ※草本の生長においては、土壌中の窒素濃度・水分量、洪水時の河床変動、平水位からの比高、樹木による陰影の影響を考慮 |
(3)窒素循環モデル | 落葉の分解量・分解速度や植物体内のバイオマス量に対する窒素濃度の関係をモデル化し、土壌窒素濃度を算出 |
(4)河床変動モデル |
一般座標系の平面二次元不定流解析と混合粒径の平面二次元河床変動解析を組み合わせてモデル化し、洪水に伴う砂州の地形変化や植生流出、土壌窒素濃度を算出 ※時刻流量を対象外力として時々刻々の河床変動を解析し、月末に上記(1)~(3)のモデルにより栄養塩量を計算・更新 ※掃流砂量と浮遊砂量を考慮し、河床材料粒度分布は交換層モデルを用いて計算 |