北海道横断自動車道整備事業における貴老路大橋詳細設計

貴老路大橋は、北海道横断自動車道(本別～阿寒間)に架かる橋長730m(最大支間長110m)のPC8径間連続ラーメン箱桁橋です。中川郡本別町の玄関口に位置し、連続する山並みや谷間空間と調和する美しいシルエット、自然豊かな樹林環境への配慮、高い耐震性能が求められました。

• 景観整備
  橋梁設計においては、支間割(橋脚位置)の検討に加え、主桁高と橋脚厚さのバランスを検討し、スレンダ－なシルエットとしました。また、排水管には桁内引き込みや角型鋼管を用いて目立たなくさせ、下部工点検設備には橋脚天端に点検用ピットを設け、検査路設置にともなう繁雑感を抑えました。


• 自然環境への配慮
  急傾斜地に位置する橋脚の施工には、地形改変や樹林伐採範囲を抑えるために、竹割り型土留工を採用することで、一般的な法面切土に対し、大幅に改変面積を縮小できました。


• 耐震性能向上の提案
  中央の3橋脚に各橋脚と桁を連結する剛結構造、残りの橋脚はすべり可動支承を採用しました。また、橋脚に高強度のコンクリ－トや高強度鉄筋を採用し、断面縮小(スリム化)による橋梁全体の長周期化を図り、応答地震力を低減させました。