【新聞記事】関東のくにづくり/いであ/R4利根川上流管内環境調査検討業務
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本業務では利根川上流管内の河川環境について現状把握、分析・評価を行い、河川管理の効率化・高度化に資する検討を行いました。この中で工事後の河川環境変化を効果的に分析・評価するための取り組みを実施しました。
管内では流下能力を確保し適切な河川管理を行うため河道掘削や樹木伐採の対策が進められています。
対策後の環境変化は河川水辺の国勢調査、航空写真測量、定期横断測量などによるモニタリングが行われてきましたが、環境維持や変化の程度の把握が課題でした。
課題解決のため上記モニタリングデータを用いて分析・評価を行うデータベースツールである「河道変遷シート」を作成しました。具体的には、〈1〉工事履歴(工種・範囲)のGIS化、〈2〉工事ごとに創出を図る目標環境の明確化(河川環境管理のベースとなる生息場指標との対応整理)、〈3〉GISでのモニタリング定点設定と分析・評価、〈4〉分析結果の見える化、〈5〉シートを用いた現地確認を行いました。
本取り組みにより、通常の河川管理で取得されるモニタリングデータを用いて、工事後の環境変化を効果的に把握することができました。さらに、GISでモニタリング定点を設定したことで今後蓄積されるデータを今回と同じ方法で分析できます。これにより、目標環境の維持、樹林化や再堆積などの変化の程度を経年的・定量的に追跡し、その結果を工事計画にフィードバックすることも可能となりました。
本取り組みは河川管理者である発注者とアイディアを出し合いながら作り上げたものです。今後もより良い河川環境の形成に向けて河川管理の現場に適用可能な技術の開発と実装に取り組みます。