【新聞記事】健康・生命科学分野事業展開を加速/市場創生と新規事業開拓/いであ
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【4月に応用生命科学研究C竣工】
いであは、健康・生命科学分野の事業展開を加速する。4月末に竣工する応用生命科学研究センターを軸に、技術的優位性が高い生体試料を対象とした高感度機器分析と遺伝子解析の研究を重点的に進め、市場創生と新規事業の開拓につなげていく。
1日に開いた2022年12月期決算説明会で田畑日出男会長は、同分野の売り上げ規模を「環境DNA関連を含め20億円程度」と説明。田畑彰久社長は、「毎年10%程度は(売り上げを)伸ばしていきたい」とし、特に特許技術であるマイクロRNAメチル化測定による早期がん診断技術について「実用化できればこの分野は大きく伸びていく」と期待を込めた。現行の第5次中期経営計画期間内での実用化を目指す考えだ。
応用生命科学研究センターは、S一部SRC造6階建て延べ4548㎡の規模。静岡県焼津市にある環境創造研究所敷地内に建設を進めている。生体試料分析専用の実験施設を拡充し、6月上旬にも稼働開始する予定だ。がん診断技術のほか、有害化学物質の分析法や健康・環境へのリスク評価とその軽減対策、環境DNA技術の高度化による生態系評価、エコチル調査など国や大学が主導する大型疫学調査の分析業務などに関する研究拠点となる。
同社は、第5次中計の数値目標を売上高、各利益いずれも計画初年度の22年12月期で達成したため、2年目となる23年12月期から3年間のローリングを実施。25年12月期に連結売上高240億円、営業利益率10%以上とする新たな目標を設定した。22年12月期の急激な売り上げ伸張により生産体制がひっ迫したとして、期間中は大幅な売り上げ増加を見込まず、将来の成長に向けて生産体制の強化と技術開発に注力する。
主な成長投資では、健康・生命科学分野や、ホバリング型AUV(自律型無人潜水機)「YOUZAN」を活用した深海・海洋調査など水中ロボティクス事業分野のさらなる事業展開に向けた研究投資とともに、技術者の戦略的な養成と早期戦略化や人材の安定確保に向けた継続的な賃上げなど人的資本への投資、サイバーセキュリティー対策などに力を入れるとしている。