【新聞記事】新春TOPインタビュー
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ことしは、中期経営ビジョンの最終年に当たる。これまで行ってきたことを総括するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)や、Society5.0の動向を踏まえ、強みを生かし差別化を図ることができる「気候変動に伴う災害リスクへの防災・減災対策、再生可能エネルギーの利活用検討、海洋と海洋資源の保全や陸上生態系保護のための環境・生態系調査、インフラ施設の老朽化対策などの分野で業務拡大を図っていきたい」と力を込める。
「特に再生可能エネルギーは、太陽光、風力だけでなく、バイオマス、海洋エネルギーにも取り組んでいく」と意欲を示す。
ハウスダストやカビなどアレルギーの元になる物質を検査する『お部屋の健康診断』といったB to C事業もいままで以上に積極的に展開していく考えだ。
環境分野は「官公庁だけでなく、民間にも積極的な営業展開を図る」と強調する。社会基盤整備分野は「いままで培ったノウハウを業務に結びつけていく。国土強靭化については、洪水予測やCCTVカメラを活用した水位計測、土石流氾濫解析などの技術開発にも力を入れている」とし、中小河川の緊急治水対策プロジェクトにも積極的に取り組んでいく。
老朽化したインフラの維持管理の対応は「インフラ構造研究センターを中心に技術開発を一層進めていく」と語る。センサーによる橋梁の異常検知モニタリングシステムを全国で12橋に設置し、業務に結び付けた。「今後、大きく展開していくことになる」とさらなる拡大を見据えている。
海外展開は、「100%子会社で海外事業を専門とするIdesとも連携を強め、実績を上げていきたい」と展望する。アフリカや中東地域で業務を獲得するため、ロンドンに情報収集などを行うための事務所を開設した。働き方改革については、取締役を委員長とした『働き方改革推進委員会』を設け、若手社員の声も取り入れながら、取り組みを進めている。「限られた時間で効率性を上げて良い成果を出すことと、社員のやりがいを上げるというバランスが必要になってくる」と指摘する。業務特性に応じて勤務時間を柔軟に運用できる制度を導入するなど、各種制度は整えている。
昨年は、東京証券取引所の市場第2部から第1部銘柄に指定替えされた。また、ことしは創立65周年・設立50周年の節目を迎える。「社業の一層の発展に努力していきたい」と視線を前に向ける。